2008/02/01

旅、開放感を求めて

 一月はとても速く過ぎて、もう4週目、会報を作成する時がもう来てしまった、と驚きの気持ちです。1週目がお正月で活動がなかった、ということがあるからでしょうか。
 1月末、寒さが一段と身にしみ、庭や道路沿いの木々も花はなく、葉を落としたままの木が多く、ちょっとさびしく感じます。でもよく見ると、梅が赤い小さな蕾をつけ始めました。また、道草の家に行く途中、葉がすっかりない木にざくろの実がいくつもぶらさがっているのを見て、子供の頃を思い出しました。
 どんよりとした曇り空の多い1月、寒さと共に気持ちも沈む時があります。そんな時、ふっと、「自分はどんな時気持ちが開放的になるだろう」と思いました。浮かんだのは、“旅をしたい!”“世界の色んな国を訪ねてみたい”との思いです。時間に追われることなく、世界のあちこち、心ゆくまで、南も北も、西も東も旅ができたら、と思いました。
 皆さんはいかがでしょうか。旅をしたい気持ちになるでしょうか。
 SAT療法の勉強会で「未来自己イメージ法」をお互いやりましたが、「スポンサーがいて、お金を自由に使え、支援してくれるとしたら、あなたがこれからやってみたいこと、好きなこと楽しいこと幸せなこと、元気が出ることは何ですか」という問いに、私も相手も旅行のイメージを浮かべました。相手の方は、千葉県内、日本中、そして世界へ、と広がって行きました。また昨年、筑波大大学院生のWさんが、お母さんたちにした時も、多くの方が旅のイメージを浮かべました。
 私は若い頃から、世界を気ままに旅したい、と夢想していました。その割には今まで、ネパールとフランスしか行ってませんが。
 なぜ憧れるのでしょう。日常の生活から離れたい、という気持ちがあるからかと思います。日常は細々としたことが多く、また難しいことも起こったりして、ストレスを多く感じます。青年たちと話をしたり、心理療法などを勉強したり、本を読んだりする時間は充実感を感じるのですが。
 私は、様々な国で様々な人が様々な生き方をしているのを見たい、感じたい、という気持ちが強いおうです。色々な生き方、人生がある、楽しく、そして一生懸命生きている姿を見たい気持ち(それは私が外国の映画が好きな理由と共通するのでしょう)。<人生は広い>と感じたい。又、世界の国々の遺跡を見るのも、<遠い昔にここで生きていた人がいた>という思いは、私自身も、遠い昔からのつながりがあるように思えて、その中で生きている自分、日常の細かいこと、わずらわしさから解放された感じにもなると想像します。大自然の中にいれば、人類よりももっともっと遠い昔から、自然の営みが続いている――という思い・・・世界を旅することは、私が多くの人や自然と、横にも縦にもつながってるのを感じ、心が広がり、解放されるのでは、と思います。日常の細々したこと、責任などからも解放されて・・・
 「砂漠に行ってみたい」とある人に言ったら、「砂漠って何もないのに、どうして?」と言われました。見渡すかぎり砂、砂、砂――でも太陽の動きによって、風によって、砂も動くでしょうし、色あい、陰も変わるでしょう。じーっと眺めている時、自分を自分の人生をゆっくりと穏やかに考えることができるような気がするのです。
 さて、SAT療法では実際に映像を浮かべます。旅している自分やまわりの様子を浮かべ、どんな気持ちになるか、満足するまで浮かべます。1ヶ月、2ヵ月、1年でも何年でも、春、夏、秋、冬、どこに行ってどう過ごすか、心ゆくまでイメージします。私は3回ほどやって貰いましたが、1回目は、行ってみたい国、四季に行ってみたい国を浮かべるだけでしたが、2回目はその国のその村の人と踊る、という場面が浮かびました。(映画で村の人が集まるとすぐ踊り出す場面を見ました)手をとり合って、くるくるまわったり・・・村の人々との交流を楽しむ自分がいました。3回目の時は、道草の家に来ている青年と一緒に世界の国々を旅行しているイメージが浮かびました。青年たちは、笑顔で生き生きしていました。最後に「十分満足した自分、フット浮かぶ自己像はどのようですか」という問いに「生き生きとして、おおらかで、積極的な自分」と答えました。「それが本当の自分ですよ。それを、その感覚を忘れないように、いつも思い浮かべるように」と言われました。日常に戻ると、色々捕われることが多く、十分続けられませんが、時々思い出すことで、気持ちを高めています。(実際はもっと丁寧な過程をたどります)
 でも、青年たちに同じように説明しながら「未来にどんなことをしたいか」とたずねても、思い浮かべられない、と答える青年が多いです。「旅行などは?」と聞くと、「旅行してる時、どんなことが起こるか分からない、その時、自分がちゃんと対応できるか不安だ」と“不安”のイメージが浮かんでしまうこともあります。楽しく旅行をした経験がないということもあるのでしょう。未来のイメージが浮かばない人には「宇宙自己イメージ」を先にやるといいそうです。
 昨年は、Wさんがお母さんたちや青年に、SAT療法をいくつかやりましたが、今年も希望の方に、ヘルスカウンセリング学会千葉支部、クリオネの家に所属しているカウンセラーが、引き続き、SAT療法を行います。
 ご希望の方、もっとくわしく知りたい方は、ご連絡下さい。

和田 ミトリ