2012/06/03

木賃アパートのこと

  道草の家の海側の窓からは、高層マンションが林立しているのが見えます。都市は40年、50年前と大きく変わりました。

 約40年前、広島市の木賃アパートを調査した時の事が思い出されます。

 5年ほど勤めた中学校の教師を、自分に合わないと思い、長女の出産を機にやめた後、好きだった建築設計を学びたく、工学部の建築科に編入学したのですが、戦前に建てられた(小高い丘の陰にあるため原爆を免れた)木造アパートの調査をすることになりました。薄暗い6畳間に親子5人が住んでいたり、3畳にも、2人3人とすんでいる人達を見て、「こんな環境に住んでいる人達がいるのに、お金の余裕のある人のために建築設計をしていいのだろうか」という思いが浮かび、社会に対する意識が目覚めました。

 地域社会が、崩壊し始めた頃ですが、アパートとアパートの間の狭い空き地で子供たちが遊んでいる姿もあり、お互いの接触もあるように感じました。