2012/07/01

小さな大自然

 先月号ではイタリアの小さな村のことを書きましたが、その後テレビのドキュメンタリー番組を何となく見ていると、ドイツから来た青年がかやぶき屋根の古い民家とまわりの自然に魅せられ、その民家を修復して、日本の女性と結婚し、農業をやりながら住んでいる様子が映されていました。ヨーロッパの青年が日本の田舎に魅せられるのだ、と思いました。その番組の題は「小さな大自然」でした。

 それから日本のあちこちにかやぶき屋根の民家が映されているのを見て、皆が大事に考えている様子を感じました。近くでは筑波山の麓に数軒、かやぶき屋根の民家があり、是非訪ねてみたいと思っています。

 私が子どもの頃、叔母の家、大きなかやぶき屋根の家に遊びに行った時のことが思い出されます。広い土間の一角には馬がいました。裏には、上の方から引いて来た湧き水が、竹筒からいつも水が流れていました。裏山には小学校の分校があり、学生の頃行った時も、木造の小さな校舎はそのままあり、運動場の端に腰をおろして眺めると、村の家々、そしてまわりには山なみが幾重にも広がっており、心も広がる思いになったことを思い出します。