2017/02/01

片すみで生きている感覚

私は内心「そんなはずはない、もとに戻るはずだ」と思いました。医院の奥の方ではリハビリをやっているようなのに、それもすすめません。
そしてケアマネージャーにそのことを話しましたら、高齢者向けの「筋トレ」をする所を紹介してくれました。
そこでは、老化とか脳梗塞などで手足や腰などが弱くなった高齢者に、柔道治療士がマッサージをしてくれたり、その人に合った足腰を鍛える簡単な器具を使ったり、最後に手足や首などを鍛える体操をします。
そこに来る人は、仕事はしていない(退職後)、子どもも自立していて、経済的、人間関係の悩みも殆ど無いようで、深刻な話題は出ません。和やかな雰囲気で、自宅での生活の話もあまりなく、何となく「この世界の片すみで」生きている人たちが集まった、という感じがします。
厳しい生活(職場でも様々な問題をかかえたり・・・)を終えた、ということもあるのでしょう。自分の弱さを受け入れている(足腰が弱くなったことなど)、今の競争社会から出て、自分なりのつつましい生活をしている――そういう人たちの集まりなので「この世界の片すみで」という雰囲気があるのでしょう。
今の社会は全体的に変わりました。
道草の家に来ている青年にも「この世界の片すみで」生きている感覚があるか、聞きましたが、「とてもそんな感じはしない」と答えました。ある青年は、「自分が働けないことを社会はみな、怠けていると言っている」と怒りをこめて電話して来ます。
今は逆になりました。「世界の中心に、中心に近い所」にいないと認められない――という風潮があって、若者を苦しめているように思います。