2018/01/01

道草の家とひきこもりの問題


ひきこもり、不登校の青少年の居場所として道草の家を開設してから、17年余が過ぎました。

その前10年位は、民間のカウンセリングルーム(TMA、東京メンタルアカデミー)のカウンセラー養成講座を受講し、そこで数年、主に不登校やひきこもりの青少年に対し、11のカウンセリングをしました。その頃、不登校やひきこもりが問題視されるようになり、新聞やラジオ、テレビでも取り上げられるようになりました。


そして、斎藤環さんの「社会的ひきこもり」という本が出版され、外へ出たとしても(ちょっとした買物や図書館など)、他の人と関わらないでいることを“社会的ひきこもり”と称する――という考え方がだんだん広まって来ました。

TMAにもひきこもり、不登校の青少年の居場所が併設され(フレンドスペース)、私は主にそうした青少年のカウンセリングを(11)しました。根気よく通ってくる青年は、意欲があるのでしょう。2,3年すると働き出します。でも精神的な病を持っている場合は難しいですが、少しずつ人との交流もできるようになりました。

でも「コミュニケーションの力をつけなければ」、と仲間のカウンセラーと話しましたが、呼び掛けてもあまり集まりません。そして、併設されている居場所は参加費が高くて思うように参加できない――と言う青年たちが事務所の辺りにたむろしたりもしていました。

そこで「そうだ、千葉市の検見川に人に貸している持ち家がある、契約を更新しないで出てもらえれば、居場所に使える」という考えが浮かびました。

でも、ゼロからの出発は難しい、その頃船橋市の勤労市民センター「心のことを話し合う会」を開いていたので、その仲間に話したら、みんなが開設を手伝ってくれ、知り合いの人を誘ってくれたり、ネットで呼びかけてくれました。

また、TMAで開いている父親の会(母親の会と別に)の上級クラスを担当していたので、検見川の家で開くことにしました。

ホームページを作ってくれる青年もいて、それを見て参加する青年も増えました。

毎回数人の青年が参加するようになりましたが、自信がついて働き出す青年もいれば、精神的な病が重くなって来られなくなる青年もいたり、また「参加費が払えないので行かれない」という青年もいたり、だんだん安くしましたが、運営費(光熱費や通信費など)が必要なので、ゼロには出来ません。(スタッフも、時給というよりも交通費程度です)